卵巣がんの治療で開腹手術をしました。
全身麻酔をして開腹手術をすると聞いた時、いつ歩けるようになるのか、その後の生活はどうなるのか不安でたまりませんでした。
私の体験をお伝えすることで、同じような疑問や不安をお持ちの方へご参考になれば嬉しいです。
治療の流れや回復の時期には個人差があると思いますので、あくまでも1つの例として参考にされてください。
目次
手術前に気になっていたこと
初めての全身麻酔。
卵巣がん切除のための開腹手術……。
「卵巣がんステージ3」と宣告されて恐怖と不安でいっぱいな中、怒涛のように検査を入れられて入院から手術まで今考えるとあっという間だったように感じます。
手術前にとても気になっていたことがいくつかありました。
しかし、忙しそうな医師や看護師を目の前にすると「こんな質問に時間を使わせてはいけないな」と思ってしまい聞くことができませんでした。
みなさんとても優しくて「わからないことは何でも聞いてくださいね!」
と言ってくださっていたのに、なんとなくためらっちゃって。
こういう時に役に立つのがネットの情報!!
卵巣がんの方の闘病記ブログをたくさん読みました。
同じ病気で頑張っている方や、がんを克服した方の記事を見て毎日励まされていました。
ありがとうございます(;▽;)
毎日の気持ちや状態を詳しく綴ってくださっているページもとても参考になりました。
その時に、手術から回復の流れを時系列で簡単にわかる情報があると嬉しいなと思っていたため、私の体験をこの記事にまとめることにしました。
開腹手術で気になっていたこと
- いつから歩けるようになるのか
- ICUには何日間入るのか
- 痛みはどのくらい続くのか
- ご飯はいつから食べられるのか
- 携帯はいつから使えるのか
などなど。
この他にも初めての手術ということもあり、気になることはたくさんありましたので、ここから時系列でお伝えしていきます。
それぞれの日の詳しい状態は個々の記事も作る予定ですので、そちらでご確認ください。
時系列順 手術前から回復までの様子
手術の2日前
入院
・検査
→手術可能と最終判断がくだった
・夕食は少なめ(消化が良さそうなもの)
・就寝前に下剤をのむ
手術前日
・歯科で歯のクリーニング
・おへその処置(くすぐったい。若干摩擦される程度の痛みはあり)
・シャワー
・朝食から全て流動食(1日で953kcal)
・就寝前に下剤をのむ
手術当日
10時前
一般病棟の自分のベットで手術着に着替えて待機
10時半
搬入→手術室へ
手術(5時間40分)
18時ごろ
ICUへ移動
家族と面会(手術開始から7時間後、30分間)
鼻からの管が胃まで繋がっていている※通常翌日までそのまま
体温が冷えているため震えがしばらく(1〜2時間ぐらい?)止まらない
・飲食NG
・うがいOK(30分おきぐらいにした)
・夜は歯磨き
・痰がたびたび出る
→飲み込むのはNGのため、痰が出たと言ってティッシュでとってもらった。
・一人では全く動けない
→全ての補助を看護師にお願いしなければならない。
・背中から注入している痛み止め薬がよく効いていて想像よりも痛くない
→痛みが増してきたら、看護師に伝えて痛み止めを追加してもらえた。
手術後1日目
明け方
・ドリップが真っ赤でたくさん出ている
→まだ管は外せず様子見
6時
・簡単な検査
→問題なし
→水を飲む許可がおりた
13時ごろ
・テレビOK
一人ではまだ動けない(寝返りさえ打てず、一晩中体が痛くて複数回寝返りをさせてもらった。)
17時ごろ
・座る練習をした
ベッドを頭の部分だけ起こしてもらって、それから少し体を移動させて、足を下におろして座ることができた。(看護師さんの完全サポートあり)
手術後2日目
明け方
・ドリップの管を外した
6時ごろ
・立つ練習をした
(看護師さん2人体制の完全サポート)それから、トイレのあたりまで点滴の棒に支えられながら(数十メートル?)歩いた。折り返して戻ってこようとしたら目眩(目の前が真っ白&耳鳴り)と吐き気がしてきて、車椅子で運ばれてベッドまで戻った。
10時ごろ
・完全サポートありで歩けるようになった
11時
ICUから一般病棟へ戻った
→昼食から食事OK(※重湯からスタート)
・携帯使用OK(ICUへの持ち込みは禁止でした。貴重品は病棟に置いておくことができなかったため、家族に渡していました。)
手術後3日目
・三分粥までの食事(朝、昼)がとれるようになった
・五分粥までの食事(夕)がとれるようになった
・一人で立てるようになった
(とても痛いけどなんとか!)
※立つとは言え、つかまり立ち&動くと危ないからベッドの横に立ってまたすぐ座るだけ
10時
・痛み止めの背中のチューブが外れた
(残りの管は、尿と手首の2箇所)
→ここから痛みが少し大きくなって飲み薬を処方してもらった
手術後4日目
・わりと痛い、痛み止め(カロナール)が効かない
※ロキソニンは効果が大きいらしいけど、体にあわないため使えない
・昼食から全粥の食事がとれるようになった
・尿の管が外れた
・手首の点滴の管が外れた
→これでシャワーがOKになった。シャワーのタイミングでオムツからショーツに戻った。
手術後5日目
・食事が常食に戻った
・痛み止めの薬を飲むことをやめた
※薬をのんでも効かないので諦めた
※痛いとは言え、激痛ではない
・座った状態から手を使わずに立つことができるようになった
・自分で靴の脱ぎ履きができるようになった(サンダルのかかとの紐を引っ掛けたり)
・食事の食器は自分で所定の位置まで返却できるようになった
17時ごろ
・左足のひどいむくみが気になった
※別記事でリンパ浮腫について書いています。
手術後6日目
・腎臓の機能検査のために午前6時〜翌日の午前6時まで尿をためていく
・休憩なしに廊下を1往復できるようになった
・横向きで寝ることができるようになった(仰向けでないと痛かったため)
・ベッドの柵を使わずに座った状態から横になれるようになった
・ショーツの脱ぎ履きができるようになった(お腹を曲げるのが痛くてこれまでできなかった)
手術後7日目
午前
・ベッドに座った状態(ベッドの横に足を下ろした姿勢)から足を少しだけ前に伸ばして上げることができるようになった
13時
・診察
→問題なかったため、傷口の大きなテープをはがしてもらった
・シャワーを1人で難なくできるようになった
→髪の毛を洗面所で立って乾かす(前日までは椅子に座ってしか乾かせなかったため)
・ベッドに座った状態(ベッドの横に足を下ろした姿勢)から、手を使わずに腹筋の力だけでベッドまで足を持ち上げることができるようになった
・クスクス程度に笑えるようになった(大笑はまだ激痛となる)
手術後8日目
・立った状態でサンダルを履けるようになった(かかとのひもをひっかけられるようになった)
・片足立ちで上げた方の足を前に曲げ、腹筋の力で着地している足のスネあたりまで上げることができるようになった
・片足立ちで上げた方の足の膝を折り、後ろ90度まで持ち上げられるようになった
・ベッドに寝た状態から柵を使わずに座ることができるようになった
・床に落ちた物を拾うことができるようになった
手術後9日目
・横になった状態で首を少し(枕の高さまで)持ち上げることができるようになった
・座った状態で体を斜め後ろにねじることができるようになった
・横になっているだけなら痛みはわりと軽くなった
手術後10日目
・お腹をおさえながらなら若干の速歩きができるようになった
・軽い咳ができるようになった(痰が相変わらず絡むことがあり、うまく出せない時に喉だけで「エフエフッ」と出していたが、軽く咳ができるようになった)
体の変化による注意点
手術後、驚きとともに焦ったことがありました。
お腹がパンパンに膨らんでいる!
なぜか、がんを切除して腹水も抜いたはずなのに、急に太ってしまったようにお腹周りが大きくなってしまいました。
開腹手術をすることで、同じようになる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、焦って引き締めようとしてはいけません。一時的なもののようです。
この時、ショーツは通常の2サイズアップしても締め付けられおり、脱ぐと跡がつく状態となりました。
手術後、オムツからショーツに戻ったタイミングですぐにこの事実に気付いていればよかったのですが、開腹手術の後の痛みでうまく体を動かしたり自分の体を確認する余裕がなく、気が付いた時には締め付けられていて変な型が付いていました。
また、排尿後にトイレットペーパーで拭き取る際には、デリケートゾーンがブヨブヨになっているように感じました。
妊婦さんが出産後に「お腹のサイズを元に戻すために引き締める」と聞いたことがありますが、がんの開腹手術はこの状況と異なります。
お腹が膨らんでいても無理に締め付けたりせず(特にリンパを切除してリンパ浮腫になる可能性がある場合)、なるべく負担をかけないようにしましょう。
私の場合は、手術から10日後ぐらいから少しずつお腹周りのサイズが戻ってきた感じがしました。
デリケートゾーンのブヨブヨ感も2週間後ぐらいから次第に戻ってきました。
私よりも数日遅れで手術をした方も「お腹周りがパンパンに膨れてる」と気になっていましたが、私の状況を伝えたところ、やはり後日同じようにふくらみが戻ってきて安心したとのことでした。
このように、時間とともにお腹周りのふくらみやデリケートゾーンのブヨブヨ感は戻ってきたため、焦らずにその時にちょうど良いサイズ(跡がついたり締め付けられるようなものは極力避けて)を着用することが一番良いのではないかと思いました。
抗がん剤治療開始までの流れ
入院から2日後
がん摘出手術
手術後12日目
手術から12日目のお昼、病理検査の結果を聞きました。
※予定ではその2日後(手術後14日目)に抗がん剤治療1回目を行う予定とのことでした。
しかし、朝から37.3℃の熱が出てしまい、病理検査の結果を聞く直前に37.8℃の発熱。
抗がん剤治療中は37.5℃以上の熱は要注意とのことで少し延期するはこびとなりました。
念のため採血をしたところ……
- 白血球値が高い
- CRPは低い
診察をすると……
- 腹水が溜まっている
- リンパ液が流れ出ている
この2つの可能性があり、「お腹に水がたくさん溜まり炎症が起きているかもしれない」ということで、抗生剤を投与して様子をみることになりました。
熱がなかなか下がらない日が続いたのですが、手術の傷口は日に日に回復していき、抗がん剤治療を受ける段階では痛みもかなり小さくなっていました。
※その時の流れについては別の記事でお話します。
手術後27日目
抗がん剤治療を受けるための体の状態が整ったのは、手術から27日後となりました。
※通常は、手術から2週間後をめどに抗がん剤治療を始めるそうです。
まとめ
開腹手術後、想像よりも早く回復していくので驚きました。(少し無理はしましたが!)
手術日の詳しい流れやICUでの過ごし方については別の記事を準備予定です。病院や患者さまそれぞれで状況は異なると思いますが、気になる方はご参考までにそちらの記事もご覧ください。