リンパ浮腫対策のためのマッサージの正しいやり方がよくわからなかったため、リンパ浮腫専門の外来でマッサージを教わりました。その備忘録をまとめました。
目次
リンパ浮腫とは
手術などでリンパ節を切除すると、その後の生活でリンパ浮腫になることがあります。
リンパ浮腫になると、腕や足にリンパ液がたまってパンパンに膨らんでしまっているような状態になります。
痛みも伴うようです。
私の場合は、卵巣がんであったため、腹部のリンパ節を切除したことにより、両足のリンパ浮腫になる可能性ができてしまいました。
一方、乳がんを患った母は、腕のリンパ浮腫になる可能性ができてしまいました。
このように、切除するリンパ節の部位により、リンパ浮腫になる可能性がある部位も変わります。
リンパ浮腫になる可能性のある体の部位は以下の4箇所です。
- 右手
- 左手
- 右足
- 左足
リンパ浮腫は、現在の医療では完治は無理ということなので、発症した場合は一生付き合っていかなければならない可能性があります。
そのため、発症してしまわないことが大切ですが、発症のレベルによってはひどくならないように対策ができるようなので、今後の生活でリンパ浮腫に気を付けつつ、できる限りの努力はしたいと思っています。
体中に血管が張り巡らされているのと同じように、リンパ管も体中に張り巡らされています。
がんなどによりリンパ管やリンパ節を多く切除する必要があった場合、体中を巡っていたリンパ液の本来通過できていた管が遮断されます。
行き場をなくしたリンパ液は、そこに留まってしまうことで、リンパ浮腫になるようです。
リンパ浮腫の確認方法
専門医に確認方法を2パターン教えてもらいました。
- 足のサイズをメジャーで定期的に測定する
- 指でつまんで腫れや浮腫を確認する
足のサイズをメジャーで定期的に測定する
確認する頻度
開始時期:手術後なるべく早く(余裕があれば手術前に1回測定)
測定頻度:手術後から月に1回ずつ測定
リンパ浮腫は、リンパ節切除の手術を受けた直後に発症することもあれば、数年、数十年と経過してから発症することもあるようです。
入院中、手術後にメジャーで足のサイズを定期的に測定することを進められました。
最近は慣れたため、足の重たさやだるさなど含めて、感覚的に足の腫れ感がわかるようになってきました。
しかし、手術直後はその感覚さえも全くわからなかったため、毎月1日に計測する!
といった具合に、忘れないように月に1回測定する日を固定して確認していました。
手術後なるべく早くからと書きましたが、リンパ浮腫について私が知ったのが手術の後だったため、そうするしかありませんでした。
しかし、リンパ浮腫のことを予め知っていれば、余裕があれば手術前のリンパ節を切除していない時の正常な状態の時に測定しておきたかったと思います。
というのも、リンパ浮腫のことを知らずに、ベッドに座って足を下ろした体勢になっていることが多く、気が付いた時には足(足首から足の甲にかけて)パンパンに膨らんでいることがあったためです。
病気が発覚するよりも前に美容という観点で測定した時は、左足のサイズよりも右足のサイズの方が全体的に少しずつ大きかった記憶があります。
しかし、手術後に左足が腫れやすくなってからは常に右足よりも左足のサイズが全体的に大きくなっています。
おそらく、手術後最初に測定した時点で通常とはすでに違う体になってしまったと思うので、正常な状態を知っておくために手術前に測定できていればよかったのにな、と。
また、手術直後に左足の付け根にピリピリと痛む感覚がしばらく続きました。
日が経つにつれて頻度は減っていきましたが、神経に何かが触っているような感覚でピリピリしていました。
主治医によると、時々同じような症状が出る人がいますよとのことでした。
これと直接関係しているのかどうなのかはわかりませんが、現在も左足がリンパ浮腫予備軍のような感じになっています。
左足のつま先にいくほど赤みが強く、ずっとほてって熱感があります。
元々、末端冷え性ですが、手術後からは左足だけ熱を帯びていて、左右の足の温度差が気持ち悪いです。
特に冬の足の温度差に悩まされています。
そして、熱を帯びているためか、左足だけ乾燥がひどく、保湿クリームを頻繁に塗ってもゾウの皮膚のようにガサガサになっています。
病院で相談したところ、
「手術の影響というよりも抗がん剤で末梢神経が影響を受けてしまったのかもしれませんね。」
と言われます。さらに、こんなことも。
「100%元の状態に戻ることを期待しては辛くなるだけですよ。
あれだけ大きな病気を乗り越えたんです。
7割程度でも、体調が戻っただけでも素晴らしいことですよ。
それが今のあなたの体の100%なんですよ。」
そうなのかもしれない!
メジャーで測る部位
●手(腕)の場合
- 腕の付け根
- 肘の約10cm上
- 肘の約5cm下
- 手首
- 手
●足の場合
- 足の付け根
- 膝の約10cm上
- 膝の約5cm下
- 足首
- 足
指でつまんで腫れや浮腫を確認する
腕や足を指でつまんでみると腫れを確認しやすいと教わりました。
一言でつまみ方と言っても色々あるのですが、専門家いわく、以下のようにつまむと良いそうです。
つまみ方のポイント
足や腕と垂直向きに指で皮膚表面をつまむ
ここでいう垂直とは、袖口や裾と平行になる方向のことを言っています。
つまむ部分
腕や足の付け根を中心につまむ
リンパ浮腫は、足や手の付け根付近の皮膚が柔らかい部分から発症することが多いそうです。
そのため、足の付け根や腕の付け根を中心に、親指と人差し指でつまみながら、左右の腕や足と違いがないか、皮膚がパンパンに腫れてつかめなくなっていないかといったことを確認します。
リンパ浮腫対策マッサージ
※リンパ浮腫のマッサージは、エステなどのマッサージとは異なります。
最も異なる点は、マッサージの強さにあると思います。
※リンパ浮腫では、リンパドレナージュという専門のマッサージ方法がありますが、それ以外の方法でマッサージをすると悪化してしまうことがあるそうなので注意が必要です。
マッサージの順番
- 深呼吸
- 首回り(鎖骨部分含む)
- 腕(肘より上→肘より下→手の指先まで)を脇に向かって
- 脇腹(胸のサイド→脇腹)を脇に向かって
- 足(膝上→膝の裏→膝下→足首→足の指先まで)を足の付け根に向かって
マッサージの強さや速さ
マッサージの強さは、小鳥を撫でるように!
マッサージを受けてみて感じたことは、マッサージを受けているというよりも、優しく撫でられているという感覚でした。
「手のひらを使って、優しく小鳥を撫でる。」
こんなに優しく触れる程度でリンパ液なんて流れるの!?と思うぐらいの弱さでした。
専門家いわく、強くマッサージしてはいけないそうですね。
自分でマッサージするときも力が入らないように気を付けています。
マッサージの速さは、ゆっくり
半円を描くようなイメージで、ゆっくりゆっくりリンパ液を体の中心部に向かって流していくという方法でマッサージをしてくれました。
感覚的には、1箇所に手のひらもしくは束ねた指を面で当て、2秒ぐらいかけて軽く触れつつ押さえる(小鳥を優しく撫でる程度の強さで)という感じです。
皮膚を擦るように手を移動させながらマッサージさせる方法(エステサロンで行うようなマッサージ)とは異なりました。
とにかくゆっくりゆっくり。
何度か専門の病院でのマッサージには通っていますが、リンパ浮腫のマッサージの施術を受けるお部屋ではアロマがたかれていて、リラックスできるようなBGMも流れています。
老廃物を流したからということで、施術後にハーブティーももらえます。
病院に行っているというよりも、癒されに行っているという感覚になります。
自宅で自分でマッサージをする時も、同じように体をリラックスさせて、リンパ液が流れることをイメージしながら優しく肌を撫でるようにして行うようにしています。
リンパ浮腫について、詳しい情報は以下のリンクにございます。
▼「リンパ浮腫」国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/public/support/condition/lymphedema.html
まとめ
リンパ浮腫の専門外来でのマッサージ施術は、保険診療ではないため1回の施術で7千円ぐらいかかり高いです。リンパ浮腫にならないために対策をとっていきたいと思います。