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がん細胞を狙い撃ち!卵巣がん治療でついに分子標的薬「リムパーザ」承認

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卵巣がんの治療において、化学療法では今まで副作用の強い抗がん剤が使用されていました。ところが、2018年5月から卵巣がんの分子標的薬が異例のスピードで承認されて使われるようになったそうです。どのような治療なのかを調べてまとめてみました。

卵巣がんのこれまでの治療

こんにちは、管理者のCocoaです。

31歳で卵巣がんが発覚し、同時に卵巣から子宮に転移していたことや複数の腹膜播種まで確認されたため、すぐに治療を受けました。

ステージⅡbとのことで、治療の流れは以下の通りでした。

  1. 手術療法
  2. 化学療法(TC療法)

私が受けた化学療法は、卵巣がん治療のガイドラインに沿ったもので、TC療法といいます。

TC療法では、2種類の抗がん剤を点滴で投与しますが、1回の治療時間は約5時間、3週間に1度のサイクルで合計6回の治療を行います。

この抗がん剤の大変なところは、副作用が強いということです。一時的な体の痛みや倦怠感や骨髄抑制などはありますが、末梢神経の痺れにより治療を途中で辞めざるを得ない方があとをたたないそうです

治療中断にならないための末梢神経障害の予防方法が最近確立されつつあるようです。詳しくは以下の記事に詳細がございます。

◆ 朗報!パクリタキセル副作用の「しびれ」の予防方法がついに発表された

TC療法については、こちら↓の記事に詳細がございます。

実際に私が体験したTC療法では、様々な副作用が現れて辛い治療でした。

「TC療法の記事」一覧は >>>こちら

化学療法と分子標的治療

抗がん剤は、作用の仕方などによって、いくつかの種類に分類されています。化学物質によってがんの増殖を抑え、がん細胞を破壊する治療を「化学療法」と呼びます。一方、がん細胞だけが持つ特徴を分子レベルでとらえ、それを標的にした薬である「分子標的薬」を用いて行う治療を「分子標的治療」と呼びます。

引用:国立がん研究センター がん情報サービス「薬物療法(抗がん剤治療)のことを知る」

まとめると……

抗がん剤の種類

  • 化学療法・・・化学物質でがん細胞を破壊(正常な細胞にも影響
  • 分子標的治療・・・がん細胞を標的として治療

抗がん剤はがんを抑える薬ですが、化学療法では、がんを抑えると同時に正常な細胞までも傷付けてしまい、体に副作用として様々な症状が現れるため、辛い治療となります。

なぜ正常な細胞までも攻撃してしまうのでしょうか?

それは、化学療法が、がん細胞の特徴的な性質である「活発に増殖する細胞」に対して治療効果を及ぼすためです。

つまり、活発に分裂したり増殖する細胞であれば、私たちの健康的な正常細胞であっても、がん細胞と同じように影響を受けてしまうのです。

例えば以下のような部分にダメージが与えられます。

  • 毛根(毛母)
  • 骨髄
  • 皮膚
  • 腸管

その結果、脱毛、白血球値の低下による免疫力の低下や貧血、吐き気や胃もたれなどその他、様々な症状が辛い副作用が現れてしまいます。

一方、分子標的薬とは、がん細胞に特異的に発現するタンパク質や遺伝子を標的とする薬であるため、一般的に化学療法よりも副作用の症状が辛くないそうです。

それでは、具体的に今回承認された卵巣がんの分子標的治療について見ていきたいと思います。

卵巣がんの分子標的薬(リムパーザ)

target

これまで、卵巣がんが再発した場合、怖い点は以下の通りでした。

再発卵巣がん

  • 根治が難しい
  • 治療の選択肢が限られる(少ない)

これらを改善する画期的な治療方法がこちら

卵巣がんの分子標的治療

アストラゼネカ株式会社が製造販売するリムパーザ
リムパーザはDNA損傷応答(DDR)機能を活用した新規の作用機序を持つ、世界初のPARP阻害剤です。DNAの相同組換え修復機構が機能していないがん細胞に特異的に細胞死を誘導する画期的な作用機序を持ちます。

引用:アストラゼネカ

遺伝的にBRCA1、2に変異のある人は、ない人と比較して若い年代で乳がんおよび卵巣がんを発症する傾向にあります。

引用:海外 がん医療情報 リファレンス

ちょっと難しいので、私なりに解釈しながらまとめてみました。

人の体は細胞からできている。

細胞の中心の核にある染色体はDNAが構成している。

DNAが損傷した場合、細胞を正常に保つためにDNAを修復する。

  • PARP・・・DNAを修復する酵素の1つ
  • BRCA1BRCA2・・・がん抑制タンパク質を生成する遺伝子

PARP阻害薬は、PARPを阻害することでDNA修復を阻止する。

BRCA遺伝子がある正常な細胞は、DNAが修復されて細胞が保たれる。

BRCA遺伝子がないがん細胞は、破壊される

BRCA遺伝子に変異があるとDNAが修復できずにがん化しやすくなるため、もともとリムパーザはBRCA変異のある方の効果が高いのではないかと期待されたそうですが、最終的にはBRCA遺伝子変異の有無を問わず治療が受けられるようになったそうです。

また、日経新聞の記事によると、リムパーザはPMDAが異例のスピードで承認したとのことでした。本来であれば日本人のデータがない場合は数年かけて日本においても追加試験を行うようになっているのですが、患者を多く救うことを目的として米国の最新データを基に承認したそうです。

▼リムパーザの詳細は、AstraZenecaのサイトに情報がございます。
アストラゼネカのリムパーザ、プラチナ製剤感受性再発卵巣がんの治療薬としてEU(欧州連合)の承認を取得

【参考】リムパーザの乳がん治療

卵巣がんだけでなく、乳がんの治療としてもリムパーザは有効のようですので、リンクを貼っておきたいと思います。

▼詳細は、AstraZenecaのサイトに情報がございます。
がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌の治療薬として適応を拡大

まとめ

卵巣がんの治療において、分子標的薬がついに承認されたという嬉しいニュースをお届けしました。根治が難しいということで、私のように卵巣がんを患った方は再発に怯える日々を過ごしているかもしれません。この治療法が広まったり、今回の分子標的治療が発端となることで、さらに新しい治療法が確立されていくことを望むばかりです。

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