がんが大きすぎて手術を受けることはできず、体の中にがんがある状態でFEC療法を受けることは心身ともにとても辛いことでしたが、次第にがんを小さくすることと副作用の乗り越え方が身についていきました。両者のために心がけていた大事なポイントをまとめました。
目次
がん治療をうまく乗り切るには
2つの視点から生活を工夫することで、がん治療を乗り切りました。
- 体に今あるがんを小さくする
- 抗がん剤治療の副作用や手術に対応する
がんの治療は、がんが手術できる大きさの場合には手術で切除することができますが、私のがんは大きくなりすぎていたために手術ができず、体の中にがんがある状態で抗がん剤治療を行うという流れでした。
がんができて体に異変が現れてから治療の大まかな流れはこちら↓の記事をご閲覧ください。
がん治療の13個の生活ポイント
2つの視点で、具体的にどのように生活を行なっていけば良いのかということを体験を通して学ぶ中で、生活のポイントとして13個のことを心がけるようになっていきました。
※治療フェーズによって、重視する内容は変えました。
- 栄養をしっかりととる
- スマイル
- 入浴
- 質の良い睡眠をとる
- 適度な運動
- 水分補給(2L強)
- 手洗い
- うがい
- マスク着用
- 歯磨き
- 手袋着用
- 保湿クリーム
- 体のリハビリ
具体的な生活のポイントについては、次の章からお話ししたいと思います。
がんを小さくする生活のポイント
① 栄養をしっかりととる
がんになる原因は複数ありますが、その中の一つに食生活が関係しているそうです。
今思えば、がんになる直前も治療開始直後も間違った食生活を送っていたように感じます。
バランスの良い食生活に改善するだけでなく、今あるがんが消えるという済陽式食事療法に取り組むことで、がん体質の励みました。
この食事療法を続けながら抗がん剤治療に励み、想定以上にがんが小さくなっていたようで主治医が大変驚いていたため、治療が終わった現在も食事療法を信じて再発防止のために取り組んでいます。
具体的な方法はこちら↓の記事に詳細がございます。
② 笑う(笑顔を意識的に作る)
がん細胞を攻撃できるナチュラルキラー細胞は笑ったときに活性化されるらしいです。
「こんな辛いときに笑えない」と思っていましたが、人間の脳は口角を上げることで楽しいと錯覚する、自分の脳はだませるということを知りました。
そこで、ナチュラルキラー細胞を活性化させるためにスマイル(笑顔を作り)をして口角を上げる努力をし続けました。
口角は上げているつもりで意外に上がっていません。面白いことがない状態で口角を上げるのは意外に難しいのですね。
そこで、以下のような順で対策をとりました。
※3番目は最終手段です!
- お笑い番組などTVでも何でも良いのでとにかく笑う
- 鏡を見て口角を上げる
- 割り箸をくわえて口角を上げる
③ 入浴
入浴の目的は、体温を上げることです。
「平熱が高いと、がんになる可能性が下がる」ということを聞いたため、身体を温めることに徹しました。
入浴の方法は、汗がじわっと出る程度にしました。
※汗がたくさん出始めると、逆に体温を下げようとする働きにより体温が低下する原因となるため、あくまでも汗が出始める頃には入浴を終えるような温度と時間配分を心がけました。
また、首、手首、足首など身体中の"首"の露出をなるべく避けたり、スープを中心に温かい食事(熱すぎの食事は食道がんなどの原因になると言われているため熱すぎは避ける)をとるようにして、体温をできるだけ高く保つように工夫しました。
④ 質の良い睡眠をとる
病院の消灯時間は、21時〜翌朝6時まででした。
また、免疫が上がる睡眠時間としては以下のようなことを聞いたことがあります。
※どちらも情報源や根拠は曖昧です、すみません>_<;
- 「22時〜翌2時の4時間に睡眠をとると良い」
- 「眠りについて2時間目が覚めないことが望ましい」
夜中に一度目が覚めてしまうと、不安でうまく眠れないこともありました。
以上のことをふまえて、私は21時〜翌朝7時を睡眠時間としました。
質の良い睡眠をとるために、以下のことを心がけました。
- 7時に太陽の光を浴びる
- 昼寝は15分程度にとどめる
- 夜にカフェインをとるのは避ける
- 夜はなるべくブルーライトを見ない
⑤ 適度な運動
がん予防には適度な運動が必要だと聞きました。
抗がん剤治療で体調が悪い時は全く動けなかったためその時期は無理はしませんでした。
少し動けるようになっても白血球が低い時期に外出することは控えて、家の中でもできることの中から、良い全身運動である"家事(掃除)"を積極的に行いました。
白血球が高い時期の中で体調や天気が良い日は、ウォーキングに出かけるようにしました。ウォーキングに出かける際は、日焼け止めクリームをしっかりと塗り、背筋を伸ばして大幅で30分程度歩くようにしました。
副作用や手術に対応する生活のポイント
⑥ 水分補給(2L強)
「食事ができなくても2Lの水は飲むように」と医師に言われました。
- 食事がとれなくても生命維持のため
- 血液がドロドロになるのを防ぐため
- 老廃物を排出するため
- 下痢による脱水症状を防ぐため
FEC療法の副作用でうまく食事がとれないこともありましたが、血液がドロドロになるのを防いだり、老廃物を少しでも排出するために、こまめに浄水器を通した水又はミネラルウォーターを飲むことを心がけました。
夜中も目が覚めるたびに口に含む程度の水を飲んで、口を潤しました。
また、副作用で下痢が頻繁に起こったため、脱水症状を防ぐことを目的として、こまめに水分補給していました。
⑦ 手洗い
抗がん剤治療により、副作用で身体を病原菌から守ってくれる白血球がとても少なくなります。
白血球が少なくなると色んな部位に感染症を起こしやすくなりますが、発熱すると治療が予定通りできなくなることがあります。
感染症を起こさないためには、感染元である手を常に清潔に保ち続ける必要があります。
- 食事の準備
- 飲食の前
体内に何かを取り入れる際の行動には、細心の注意を払いました。
⑧ うがい
抗がん剤の副作用の白血球の減少により、通常では口の中で防御できる細菌やウイルスが体内に入り他の病気も併発するようになります。
口からの感染を防ぐためうがいを頻繁に行いました。※うがい薬の使い方には注意が必要です。
- 起床直後
- 飲食の前後
- トイレの後
抗がん剤の副作用により、口の中が乾燥、ネバネバ、雑菌が増える(多くの細菌が生息し始める)、口腔内全体の痛み、口内炎という症状が出ましたが、うがい薬ばかりでなく水、ぬるま湯や緑茶でうがいしても効果はあるようです。
⑨ マスク着用
以下の2つの目的で飲食時とお風呂以外では常にマスクを着用しました。
※家の中にいても、就寝時も、とにかくずっとです。
- 細菌やウイルスの感染を防ぐため
- 口腔内の乾燥を防ぐため
マスクを新しいものに交換するタイミングは、2パターンに分けていました。
基本的に1日1回マスクを新しいものに交換し、外出したら帰宅時に1回追加で交換しました。
パターン2
白血球値が低い時期は、朝起きたときと就寝時の2回マスクを新しいものに交換しました。
副作用により、口の中が乾燥、痛みやネバネバが発生したため、就寝時もマスクは絶対に外しませんでした。
⑩ 歯磨き
抗がん剤の副作用で白血球が減少することにより菌に感染しやすくなるため、口腔内を常に清潔に保つことが重要なポイントとなってきます。
抗がん剤治療に入る時にも主治医に「歯の治療は済ませておくように」と言われるぐらい重要なようです。
治療前(元気な時)に使用していた歯ブラシを継続して使用すると粘膜が弱くなっているため口の中を傷つけてしまいまうことがあります。
これを防ぐために、やわらくて清潔な歯ブラシに買い替えました。ヘッド全体が柔らかくて優しく磨くように気をつけました。
実際に使用していた歯ブラシと歯磨き粉については、こちら↓の記事に詳細がございます。
⑪ 手袋着用
手袋着用の目的は2つです。
- 手を保護して怪我を防ぐため
- 手からの感染を防ぐため
抗がん剤の副作用により、皮膚が弱くなりさかむけをし、傷口から菌が入りやすくなりました。
また、副作用で肌が乾燥し、かゆみが出てきて無意識でかきむしり出血してしまうことがありました。
血小板の減少で血が少し止まりにくくなった上に白血球の減少で感染しやすくなりますので、黄色ブドウ球菌の感染も懸念して、食事の準備をする時を中心に、家事をする際には必ずゴム手袋を着用しました。
10種類以上試した中で、最も使いやすい手袋はこちら↓です。
⑫ 保湿クリーム
抗がん剤の副作用により、肌が乾燥し身体中がかゆくなってしばらく辛い時期がありました。
寝ているときなどに無意識でかきむしってしまい、出血することもしばしば……
副作用の血小板減少の影響なのか血が止まりにくくなり、血が出なるまで絆創膏を使うこともありましたが、保湿クリームをぬることで事前に防げる怪我はできるだけ防ぎたいものです。
かといって、治療前に使用していたボディークリームは香りが気になって使えなかったり、成分が気になって使うのが怖くなりました。
しかし、こちら↓のボディークリームを使うようになってから乾燥には悩まなくなりました。
無香料、無着色、弱酸性、ノンアルコールのお肌への優しさを追求した保湿剤があって本当に助かりました。
ただでさえ辛い抗がん剤治療中にさらなる負担がかからないためにも、乾燥防止に力を入れることはオススメです。
⑬ 体のリハビリ
手術でリンパを切除し、筋肉も一部切除したため、リハビリが必要でした。
リハビリは辛いです。とにかく痛かったです。
しかし、元のように体を戻すためには術後3ヶ月が勝負だと聞いたため、術後3ヶ月はリハビリを積極的に行いました。
また、手術直後から今まで通りの身体の感覚で動くと「物がつかめない、落とす、重たくて持てない」という状態になったため、この身体に慣れるために毎日身体を動かし続けて感覚をつかむ努力をしました。
この時期をなんとか乗り切ったため、現在は筋肉を切除したにも関わらず、日常生活には支障が出ないほどうまく動かせるようになりました。
毎日のリハビリのやり方については、後日まとめたいと思います。
まとめ
もともと禁煙であり、お酒もあまり飲まないためここには生活のポイントとして取り上げてはいませんが、「禁煙」「禁酒」も治療中はできるだけ守った方が良いようです。この記事にある生活のポイントの実践を心がけることで、現在も再発せずに暮らすことができています。今後も気を付けていかなければならないと思っているため、「がんを小さくする生活のポイント」を中心に積極的に取り組んでいきたいと考えています。